貧困をなくそう

明日はどうやって暮らしたら良いのだろうという状況を想像できますか?
世界にはお金がなくて住むところもない人がいるのを知っているでしょうか?
「貧困をなくそう」とは最低限の生活ができずに苦しい日々を送るような状況をなくす目標です。

貧困をなくそう

世界には1日200円だけで暮らしている人が7億人以上もいます。
わかりやすい数字にしてみると約10人に1人が最低限の生活ができていない計算です。
そのうち半数近い46%がみなさんと同じ年代である14歳に満たない子供たちです。

最低限の生活を送ることのできない人と十分に生活できる裕福な人の割合は、国や地域によって違いがあります。
南アフリカという国を知っていますでしょうか。自然あふれる素晴らしい国ですが、都会から離れた畑の広がる田舎に貧しい人たちがいます。
貧困でつらい人たちの80%は農村で暮らしているのです。
日本は豊かになったと言われていますが、やっとの思いで生き抜いている人たちも大勢います。

この貧困というのは、親から子供へと伝わってしまいます。
お金がない家に生まれると、子供はお金のかかる高校進学にも進めなくなることもあります。
もっと勉強したいと思ってもできず、つらい思いをしています。

それだけでなく、貧しいと病気になっても病院に行くことができません。
人はみんな平等なはずなのに、お金がなくて病気を治してもらえないのです。

貧しさを世の中からなくさなければならないと思いませんか?

SDGsでは2030年までにひどい貧しさを世界中からなくそうとしています。
どんな貧しさもなくして、みんなが勉強することも、病気を治すこともできるようにしたい。
まずは2030年までに貧困を半分に減らして、それからもずっとみんなで協力してゼロを目指したい。
貧困がなくなればお金がなくて苦しいという理由で泥棒をする人もいなくなります。
戦争の原因も貧しさのことがよくあります。
世界中から貧困をなくして、誰もが笑顔で暮らせる平和な世の中になるよう協力していきましょう。

飢餓をゼロに

お腹が空いたのに食べ物を手に入れることができずに辛い状況を想像できますか?
驚くかもしれませんが、世界には栄養が足りなくて動く気力さえ失っている人がいます。
「飢餓をゼロに」とは食べるものがなくて栄養も摂れず、生きていくのがつらいと思う人たちをなくす目標です。

飢餓をゼロに

2017年の頃に、食べるものがなくて苦しんでいる人たちは世界人口の約11%、8億人以上もいました。
そして5歳未満の子供たちは、10人に2人以上が飢えで苦しんでいて、
栄養が足りなくて体力もなくなり、痩せてしまうようなつらい日々を送っています。

日本やアメリカなどの先進国では食べ物も飲み物も豊富にあります。
そのうち40%近くの大人は、食べ過ぎで肥満になっていたりします。
でも、南アフリカなどでは半分以上の人が食べ物がなくて苦しんでいます。
わたしたちはこんな不平等なことをなくしていかなければなりません。

食べられず、栄養も足りないとお腹が空いてつらいだけではありません。
がんばって勉強しよう、働こうという気持ちもなくなってしまいます。
そして病気にもなりやすくなります。

SDGsでは2030年までに誰もが栄養のある食事を摂れるようにすることを目指しています。
世界の人口はさらに増え続けているので、食料の不足が起こるかもしれません。
今後、どんな状況でも必要な量の食料を作れるような社会にすることもとても大切です。
みんなで協力して、食べ物の不安がない世界を作っていきましょう。

すべての人に健康と福祉を

いつも元気いっぱいでやりたいことをしたいと思いませんか?
健康でいられるのが当たり前ではないと言われたら不安を感じませんか?
「すべての人に健康と福祉を」とは世界中のみんなが病気を治したり、予防したりできるようにしようという目標です。

すべての人に健康と福祉を

子供が健康に生まれ育っていくのは当たり前のように感じていませんか。
世界を見てみると健康で育つことは、すごいことなのがわかります。世界では5歳未満で亡くなる子供が2017年には540万人もいました。
子供だけでなく、妊婦さんや、子供を産んだときのお母さんが30万人近く亡くなっています。
みんなが元気に生まれて育ってきたのはとても幸せなことです。
少しでも健康で安全に生活できる世の中にしませんか?

色々な問題があります。
例えば、結核やマラリアという命にかかわる病気が流行している国もたくさんあります。
日本では医療が進んでいて予防接種を受けたりできます。でも、世界では受けられない人たちがたくさんいます。

病気になってしまったりするとどうなるでしょうか。
元気でいられないと学校に行って勉強することもスポーツをすることもできません。
病気でつらくなったりすると、自分で命を絶ってしまっている人もいます。
そんな世の中を終わりにするためにはみんなの協力が必要です。(必要なし?)

SDGsでは出産、感染症、交通事故などの健康にかかわる危険をみんなで協力して減らすことを目指しています。
生まれた子供が母親から愛を受けて成長していける社会を築き上げようとしているのです。
病気で亡くなる人もいなくなり、いつもみんなが健康でいられる世界にしようと前に進んでいます。
本当にそんな社会を作るにはみんなでがんばらなければなりません。
身近なところから何ができるか、親子で話し合ってみませんか?

質の高い教育をみんなに

勉強するのは大変と思っている人もいるかもしれません。
でも、しっかりと勉強をして、将来なりたい仕事についてみたいと思いませんか?
「質の高い教育をみんなに」とは誰もが期待するような教育を受けたいと思ったら受けられるようにしようという目標です。

質の高い教育をみんなに

この日本では、小学校で勉強しているうちに文字の読み書きや計算ができるようになります。
それが当たり前と思っているかもしれません。
でも、世界を見てみると6歳~17歳の子供たちのうち20%ほどが学校に通うことができていません。5人に1人が学校に通うことができていないというのは、すごく大きな問題です。

2015年の頃には14歳未満の子供たちの半分以上が読み書きができませんでした。
文字を読んだり書いたりできなかったり、足し算や掛け算ができなかったら生活に困りますよね。

質の高い教育は自分の力で生きていくために欠かせないものです。
教育を受けることができず、読み書きや計算ができなくては働くのも生活を送るのも大変です。
みんなが平等に教育を受けて、知識を付けて、やりたいことができるようになる世の中にしたい。

SDGsでは誰もが質の高い教育を受けられる社会にすることを目指しています。
中学校までは無料で、高校以上の教育も誰もが平等に受けられるようにするのが目標です。
社会に出てやりたいことをするためには、しっかりと勉強するのが大切です。
読み書きや算数はもちろん、いろいろな力をつけてがんばれるようになると活躍できます。
世界中で一丸となって取り組まないと、教育の質は上がりません。
わたしたちにもできることはたくさんあります。
社会を支えているわたしたち、人が成長できる世の中を作っていきましょう。

ジェンダー平等を実現しよう

男性と女性でそれぞれ別の扱いをされていると思ったことはありませんか?
男女平等とよく言われていても、本当なのかなと疑問を持ったことがある人もいるかもしれません。
「ジェンダー平等を実現しよう」のジェンダーとは「性」のことで、男性か女性かによって差別されない世の中にしようという目標です。

ジェンダー平等を実現しよう

昔は男性が働いて、女性が家を守って子育てや料理、掃除や洗濯をするものだとされていました。
でも、なぜ男性が働いて、女性は家を守るのでしょうか。
男性が家を守って、女性が働いても良いですよね。
夫婦で協力して、二人で働いて、二人で子育てをするのがもっと良いと思いませんか?
でも、世界で働いているのは男性の方が多くなっています。

ジェンダーの問題は仕事だけではありません。
DV(家庭内暴力)について聞いたことがあるでしょうか。
お母さんがお父さんから暴力をされていることがあるのです。
お母さんはただそれを我慢しているしかできません。
そんなのおかしいと思いますよね。

男性と女性が協力することで家庭も社会もより良いものになります。
ジェンダーによるあらゆる差別をなくさなければ偏見が生まれてしまいます。

SDGsではどんな形の差別も一切なくすことを目指しています。
暴力、教育、仕事。あらゆるところから差別をなくし、ジェンダーによって不利にならないようにするのが目標です。
国によって制度を作って対応するのも大切です。
でも、わたしたちの考え方が変わらなければ女性差別はなくなりません。
ジェンダーの不平等をなくすのは、わたしたち一人一人が意識しなければできません。
男性だけでなく女性も活躍できる社会をわたしたちの手で作り上げていきましょう。

安全な水とトイレを世界中に

水道の蛇口から水が出てきて安心して飲めるのが当然だと思っていませんか?
トイレの水が流れるのもあまりにも普通のことで、すごいと感じたことはないでしょう。
「安全な水とトイレを世界中に」とは世界のどこに住んでいる人も衛生的で安全な水を使えるようにする目標です。

安全な水とトイレを世界中に

日本は水の衛生状態がとても良いことで世界中に知られています。
蛇口から出てきた水をそのまま飲める国は、あまり多くありません。
2017年の時点では8億人近くの人が自分の家で蛇口から出てきた水を飲めませんでした。
世界の3人に1人の人が身近なところで手洗いをすることができません。

例えば、病院ではきれいな水が必要です。
しかし、世界では飲めない水しか使えない病院がたくさんあります。
衛生的な環境が悪いと、治療を受けても治るのに時間がかかったり、別の病気にかかるかもしれません。

もっと身近なところにも大切な場所があります。それはトイレです。
世界では、水を流せるトイレがなくて、外でトイレをしている人が7億人くらいいます。
トイレがしっかりと整備されてないところもたくさんあります。そういった所では、川の水に流していたりします。そうすると川が汚れてしまって、魚なども住めなくなってしまいます。
こんな状況を何とかしなければならないですよね。

貴重な水を大切にしたい。
SDGsでは2030年までに世界中の誰もが平等に安心して水を飲める、トイレも使用できる社会にしようとしています。
日本は海に囲まれていて水が豊富です。
しかし、世界では砂漠地帯で水がほとんどなく、1滴の水がとても貴重な場所もあります。
水を大切にして無駄をなくしましょう。
小さなことから始めて、世界に広げていけば、みんなが安全な水を使えるようになります。
お父さん、お母さんと水の大切さについて話をして、何ができるか考えてみましょう。

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

スイッチを押せば電気がついて明るくなり、コンセントにつなげばスマホが充電できるのは普通だと思いますよね?
電気がもしなかったとしたらどうなるかと考えたこともないかもしれません。
でも、世界には電気がない生活をしている人たちもいます。
「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の目標では、電気やガスなどのエネルギーを誰もが使えるようにし、ずっとみんなが使えるようにすることを目指しています。

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

電気は2017年には世界全体の89%の人が利用できるようになりました。
89%というと多いと思うかもしれません。
でも、100人に11人が電気を使えない状況で生活をしているのです。
人数にすれば8億人以上です。
地域による違いも大きくて、南アフリカでは半分以上の人が電気を使えません。
電気がある便利な暮らしはみんなができるべきだと思いませんか?

電気はいつまでもずっと使えるものだと思っているかもしれません。
でも、もしかするとほんのわずかな間に電気が使えなくなるかもしれないのを知っていますか?
今は電気を作るために石油を燃やしたり、核燃料を使ったりしています。
環境に負担のかかるものから電気を作っているので、地球が破壊されてしまうかもしれないのです。
環境に優しい再生可能エネルギーも使われるようになってきました。
でも、再生可能エネルギーの割合は2016年時点で17.5%しかありません。 身近なところから使わない電気を消したりする取り組みが大切です。

SDGsではいつも電気やガスなどのエネルギーを安心して使えるようにすることを目指しています。
電気を使えない地域に設備を整え、エネルギーの無駄をなくし、再生可能エネルギーを使っていくのが方針です。
わたしたちにもできることがたくさんあります。
再生可能エネルギーを使い、環境のためになるエネルギーの使い方をしていきましょう。

働きがいも経済成長も

心からやりたいと思う仕事をできるようになったら嬉しいと思いませんか?
つらいと思うような仕事をやらされたら嫌になってしまうのも当然ですよね。
「働きがいも経済成長も」とは世界中のみんなが「働きたい」と思う仕事を選べるようにして、さらにずっと経済を発展させられるようにする目標です。

働きがいも経済成長も

働こうとしているのに仕事をできない人が世界にはたくさんいます。
10人に1人がこのような状況で働けずに苦しんでいる国があります。
発展途上国では、多くの人が働けず困っています。
でも、先進国でも仕事ができなくて困っている人がいっぱいいます。
想像しにくいかもしれませんが、若い人でも仕事がなくてつらい思いをしていたりします。
国によっては、10人中2人以上も仕事ができない状況なのです。

仕事がないことだけではありません。
働きがいのある仕事がなく、無理な仕事をさせられていることもあります。
地域によっては、子供が強制的に働かされている場合もあります。
子供のうちから嫌な仕事をさせられて、学校に行くこともできずつらい思いをしています。
お金は手に入るかもしれませんが、暮らしの貧しさを何とかするには避けられないと思ってがんばっています。
でも、みんながやりたい仕事をがんばれる世界になったらもっと良い暮らしができますよね。

SDGsではみんながやりたい仕事をできるようにして、社会の成長につなげていこうとしています。
子供たちの強制労働もなくし、年齢も性別も関係なく、働きがいのある仕事を選べるようにしようとがんばっています。
みんなが働きがいのある仕事をすれば世界は豊かになっていきます。
働きがいのある仕事って何なのかを考えたことがありますか?
ご両親と話をして働きがいについて知ることから始めて、みんなで協力して目標を達成しましょう。

産業と技術革新の基盤をつくろう

電気や水、インターネットが使えることや、いつも時刻通りに走る電車やバスに乗れることが幸せだと感じたことがありますか?
日常の中で使えるものなので意識したことがなかったかもしれません。
「産業と技術革新の基盤をつくろう」とはインフラと呼ばれる社会の土台となる技術や産業を当たり前のようにいつまでも使えるようにする目標です。

産業と技術革新の基盤をつくろう

新しいものを生み出してきたことでわたしたちの社会は便利になってきました。
みんなが生まれたときにはインターネットがあるのが当たり前だったでしょう。
でも、世界ではインターネットを使えない地域もたくさんあります。
パソコン、スマホ、タブレットがインターネットに繋がってない世界を想像できますか?
インターネットは、水道や電気のようにみんなが使えるようになるべきです。

技術は新しい価値を生み出します。
インターネットも便利な価値を生み出しました。
インターネットが生まれたばかりの30年前は、こんなに便利なものではありませんでした。
みんなで技術を育ててきたことで、とても快適なものになったのです。

社会を支えている産業や技術はインターネット以外にもたくさんあります。
道路があり、電車が使えるのは日本では普通です。
でも、このような交通サービスは世界で見ると10億人が十分に利用できていません。これは、8人中1人の割合です。
道路が使えなかったらどこに行くにも大変ですよね。

SDGsでは社会を支えているインフラを世界中で整えようとしています。
道路を作るにも技術が必要です。お金がなかったらできません。
みんなが便利に過ごせる社会を整えるには世界中で協力することが欠かせません。
当たり前のように世界のみんなが協力する世の中になったら、きっと不便がなくなります。
そのためにも先進国に住むわたしたちががんばらなければなりません。

人や国の不平等をなくそう

年齢や性別、国籍や人種などによって差別されていることがあると聞いたことがありませんか?
もしかしたら子供だから、留学生だからという理由で他の人とは違うことをされた経験があるかもしれません。
「人や国の不平等をなくそう」とは人と人、国と国といった違いによって差別されることのない世の中を作ろうという目標です。

人や国の不平等をなくそう

不平等というとお金かなと思う人もいるかもしれませんね。
貧しい人と裕福な人の間では不平等が起こっています。
収入が少ない人と多い人の差はどの国でもとても大きくなっています。
男性と女性の間でも違いがあって、男性の方が収入が多いのが今の世の中です。
日本で働いている外国人の人は、日本人に比べると少ない給料で働いていることが多いです。
理由なく平等に扱われなかったら誰でも嫌な気持ちになりますよね。

貧しさと豊かさの差は人と人の間だけでなく、国と国の間でも起きています。
発展途上国では国が使えるお金が少なくて、社会を変えたくても変えられない状況もあります。

偏見や差別を完全になくすのはとても大変です。
国ががんばって制度を作り、差別をなくそうとしてもなかなかうまくいきません。
わたしたちが考え方を変えて、みんなが平等になるためにはと行動することで実現できます。
みんなが平等になれば、みんながより幸せに生きられる社会になっていきます。

SDGsでは年齢や性別などによらずに誰もが平等な社会にすることを目指しています。
差別をなくし、みんなが平等という意識を持つように世界全体に働きかけていこうとしています。
わたしたちにもすぐにできることだと思いませんか? 地球のどこにいてもみんなが平等になる。
そんな世界を実現するにはあなたの協力が必要です。
人も国も全部平等な世界を一緒に作っていきましょう。

住み続けられるまちづくりを

いつも安全なところで生活できたら良いのにと思うことはありませんか?
危険があるからと言われて近づかないようにしている場所が身の回りでもあるかもしれません。
「住み続けられるまちづくりを」とは安全で安心して暮らせる社会を作り、みんなが快適に暮らせる環境にしようという目標です。

住み続けられるまちづくりを

世界の中にはスラムという場所があるのを知っていますか?
貧しい暮らしをしている人が集まっている地域をスラムと言います。
スラムでは貧しくて苦しい人たちが犯罪をしてでも生き抜こうとしています。
でも、罪を犯すなんて嫌ですよね。
それでも生きるためにはどうしても犯罪をするのが避けられないくらいにつらい状況なのです。
スラムでは罪を犯す人が多いので、暮らしも不安です。
まちづくりによってスラムのような場所をなくせたら良いと思いませんか?

また、別の問題としてごみがあります。
日本ではごみの収集をしてくれますよね。
でも、ごみの収集をしてもらえずに生活している人は世界に20億人もいます。
ごみを捨てるのにどうしたら良いのかと困ってしまいますよね。
ごみを捨てる場所がなければ、まち中にごみが散らかってしまい、汚くなってしまいます。そしてごみが散らかっているまちでは、犯罪も増えてしまいます。これでは安心して暮らせないですよね。

犯罪が起こるまちや、ごみだらけのまちをなくしたい。

SDGsでは貧しい人たち、子供も高齢者も、みんなが住みやすいまちづくりを大切にしています。
スラムをなくし、誰にとっても安全なまちを実現しようとしています。
環境も大切にして、ごみをきちんと処理し、空気や水の汚れもないまちにしようと努力しています。
まちづくりはわたしたちにとってとても身近なものです。
普段からできることを考えて、毎日少しずつまちづくりに協力していきましょう。

つくる責任 つかう責任

欲しいと思って買ったけれど、使わないまま捨ててしまったことはありませんか?
とても安いものを目にしたときに、なぜ安いのだろうと思ったことはないでしょうか?
「つくる責任 つかう責任」とは、ものをつくる人もつかう人も責任を持ち、みんなが使いたいと思うものを、みんながいつまでも使えるようにする目標です。

つくる責任 つかう責任

ものをつくるのは誰かにつかってもらうためです。
ただ、つくったものがつかわれずに捨てられてしまったら無駄ですよね。
木材や石油などの貴重な資源がものづくりには使われています。
限りある資源が無駄になってしまうと、いつまでもみんなにとって必要なものをつくっていくことができませんよね。

食べ物をつくる責任、つかう責任はとても深刻です。
食べ物がなくて飢えている人たちが世界にはたくさんいます。
それなのに、食べ物を無駄に捨てている国も多いのです。
つくられている食べ物の30%くらいが捨てられています。
その分を、食べ物がなくて困っている人たちにあげるべきだと思いませんか?

資源は限られているものなので、いつも無駄がないようにつかうことが大切です。
資源を使用してつくる方も、捨てないで済むようにつくることが欠かせません。

SDGsではものをつくる量とつかう量のバランスを整えようとしています。
貴重な資源がすてられてしまうことがないようにして、つかえるものはリサイクルしようと目標を立てています。
わたしたちの身の回りにはものがあふれています。
いらないのに買ったり、つかえるものをごみにしたりしていませんか? まずは「つかう」人として、責任を考えてみましょう。
つかう人が無駄をしないようにすれば、つくる方も変わっていきます。
わたしたちの日々の生活で取り組めることなので、家族みんなで取り組んでみましょう。

気候変動に具体的な対策を

「地球温暖化」という言葉を聞いたことがありますか?
台風や大雨で被害に遭っている様子をニュースで見かけることがあると思います。
「気候変動に具体的な対策を」とは、わたしたち人間の活動が地球に与えてきた影響を見直して、これからも住みやすい環境の地球を守っていこうという目標です。

気候変動に具体的な対策を

地球温暖化とは地球の温度がだんだんと上がってきている問題のことです。
今から約300年前の産業革命が起きた18世紀に比べて、今の地球の気温は1℃高いと言われています。
300年でたった1℃なら大したことはないと思うかもしれません。
しかし、私たちが電気などのエネルギーを使い、工場でものづくりをしているためにこれからはもっと早く地球の温度が上がると考えられています。

地球の温度が上がると環境が変わり、生きられない動物や植物も出てきてしまいます。
温暖化していくと海の温度も上がり、北極や南極の氷が少しずつ溶けていきます。
溶けた氷は海に流れ込み、海面が上昇すると、今まで陸地だったところが海になってしまいます。

このような環境の変化をくい止めるためには、みんなの協力が必要です。
地球温暖化は温室効果ガスと言われる二酸化炭素がたくさん作られていることが問題になっています。
エネルギーを作るときには二酸化炭素ができてしまうので、エネルギーの無駄をなくすことが大切です。

SDGsでは二酸化炭素の問題だけでなく、気候が変わったとしても災害で苦しまない社会を作ろうとしています。
みんなで力を合わせて地球の環境を守り、安全に暮らせる世の中にしたいと思いませんか?
地球環境問題は世界全体で起こるものなので、みんなが協力しないと解決できません。
身近なところでもできることがたくさんあります。
みんなが少しずつ取り組めば環境はきっと良くなるので、ぜひ協力してください。

海の豊かさを守ろう

テレビなどで透き通るような美しい海の映像を見て感動したことはありませんか?
せっかくの美しい海にゴミが打ち上げられているのを見たことがある人もいるかもしれません。
とても悲惨な光景ですよね。何とかしたいと思いませんか?
「海の豊かさを守ろう」とは海を守り、海をずっと大切にみんなでなかよく使えるようにしようという目標です。

海の豊かさを守ろう

海は地球の表面の70%くらいあって、魚や貝、海藻が生きている場所です。
海が汚れてしまったらみんな生きられなくなってしまいます。
ゴミを捨てたり、汚い水を流したりしたために死んでしまっている生き物たちもたくさんいます。
約40年間で海の生き物たちは3分の2になってしまいました。

わたしたちの活動によって二酸化炭素がたくさん出ていて、地球を温暖化させる原因になっています。
でも、海はその二酸化炭素を取り込んで減らしてくれているのです。
地球の気温や雨の量なども海によって大きく変わっています。
海がきれいなままでいてくれないとわたしたちの住む環境はどんどん悪くなってしまうのです。

きれいな海を守っていかないと、魚も貝も食べられなくなってしまいます。
地球がもっと暑くなってしまって、生きられない動物や植物も増えていきます。
何とかしてこんな状況をくい止めなければなりません。そう思いませんか?

SDGsでは海の豊かさを守るために、汚さないための目標を立てて取り組んでいます。
ただ、わたしたちががんばらなければ海は守れません。
ゴミを捨てたり、エネルギーを無駄にしたりして海を汚しているのはわたしたちです。
これからもずっと美しい海を楽しみ、おいしい魚を食べられるようにしたいですよね?
みんなで力を合わせて海を守っていきましょう。

陸の豊かさも守ろう

動物や植物が減ってきているという話を聞いたことがありませんか?
森林が減り、砂漠が広がってきていることもニュースや授業で聞いたかもしれませんね。
「陸の豊かさも守ろう」とは陸の自然を守り、もっとよい状態にすることで地球も生き物も豊かにしようという目標です。

陸の豊かさも守ろう

地球の30%である陸地には、動物や植物がたくさん生きています。
美しい森林を見てきれいだなと思ったことがありませんか?
しかし、世界では15年の間に日本の面積の1.5倍もの森林がなくなってしまいました。
森林は生き物が生きていくために必要な場所です。
森林がなくなって砂漠になったら何も生きていけなくなります。

陸の豊かさがなくなってきている原因はわたしたちです。
森林を切り開いて家を建てたり、畑や田んぼにしたりしています。
わたしたちの暮らしにとって大切なことかもしれません。
でも、森林が失われてしまうと、地球の環境は悪くなっていきます。

森林は二酸化炭素を減らし、地球の温暖化を止めようとしてくれています。
さまざまな生き物が生きる場所を作ってくれています。
森林には水をきれいにする力もあるので、海もきれいにしています。
もし森林がなくなったら地球は生き物が住める場所ではなくなるのです。

SDGsでは陸の豊かさを守るためにすぐに取り組もうと世界中に働きかけています。
失われてしまった森林を元に戻すには何十年もかかるからです。
絶滅してしまった生き物たちはもう二度と地球に戻ってくることはありません。
ほんの少しでも早くみんなで陸を守らなければならないのです。
陸を豊かにすることは地球全体を守ることです。
ずっと暮らしていける世界にするためにみんなの協力が必要です。
森林破壊がなく、緑が豊かできれいな世の中を一緒に作り上げていきましょう。

平和と公正をすべての人に

友達とけんかをして痛い思いをしたことはありませんか?
世界ではいつも争いごとが起こっていて、安全に暮らせる状況でない場所があります。
「平和と公正をすべての人に」とは、暴力のない平和な社会にしたい。みんながいつも平等に暮らせるようにしたい。そういう想いを現実にするための目標です。

平和と公正をすべての人に

平和な世界で生きていきたいというのは世界中のみんなの願いです。
戦争や紛争で傷つき、亡くなってしまっている人が今でもたくさんいます。
ただ、暴力は戦争や紛争だけではなく、わたしたちの身近にもあります。
人を傷つけたり、殺したりする事件は日本でも起こっています。
例えば、子供たちへの虐待は日本でも大きな問題とされていて、小さいうちに亡くなっている子もいます。
暴力を世界からなくして、みんなが安心して暮らせるようにしたい。
平等で平和な世の中にするためには、みんなの協力が必要です。

SDGsでは暴力をなくし、安心して暮らせる社会を作ることを目標にしています。
法律を作るのが国のやることです。
ただ、どんな法律があったとしても、みんなが当然だと思って守らなければ意味がありません。
戦争や犯罪はルールを破った人たちがいることも原因の一つです。
平和な社会にするためには厳しいルールを作るよりも大切なことがあります。
わたしたちが自分たちの力で平和にしようと考えて行動することです。
暴力で解決するのではなく、話し合いで解決できるようにしていくことができれば平和につながります。
平和を実現するためには、みんなが公正な考え方を持つことが必要なのです。

パートナーシップで目標を達成しよう

大きなことに取り組もうとすると、自分だけではできるかが不安になりませんか?
でも、友達が手伝ってくれる、お父さんやお母さんが見守ってくるなら安心ですよね。
「パートナーシップで目標を達成しよう」とはSDGsを達成するために、人も国もみんなで協力していこうという考えです。

パートナーシップで目標を達成しよう

みんながずっと幸せに暮らせるようにするための目標がSDGsです。
そのためにみんなが協力するのは当たり前だと思いますよね?
でも、みんなが本気で力を合わせていこうと思ってくれるわけではないのです。
自分さえ幸せならいいという人もいるからです。

でも、今のわたしたちの暮らしは世界中の人たちと深くかかわっています。
世界はつながっています。
みんなでSDGsの達成を目指さなければ、地球環境が悪くなって誰も生きていけなくなります。
貧困、飢餓、教育、医療。
仕事、ジェンダー、エネルギー、インフラ。
そして、私たちのクラス地球環境。
取り組まなければならない課題はたくさんあります。
すべてを解決できなければ持続可能な社会はできません。

SDGsの17の目標の中で、最後が「パートナーシップ」になっているのには意味があります。
一部の人たちががんばれば大丈夫だと思っている人がいるうちは目標を達成できません。
すべての人が協力することが必要だとみんなが考えなければならない。
パートナーシップがなければSDGsは達成できないのです。

大人も子供も、男性も女性も、国籍の違いも関係ありません。
みんなが自分にできることを考えて、みんなと一緒に取り組んでいくことが必要です。
持続可能な社会を作り上げること。
国境を越えてみんなでがんばれば達成できます。
みんながずっと幸せに生きていくためにぜひ協力してください。